浄土宗について

法然上人
私たちの宗旨

名称: 浄土宗
宗祖: 法然上人(源空)(1133~1212年)
本尊: 阿弥陀仏(阿弥陀如来)
教え: 阿弥陀仏の平等のお慈悲を信じ、「南無阿弥陀仏」とみ名を称えて、人格を高め、社会のためにつくし、明るい安らかな毎日を送り、お浄土に生まれることを願う信仰です。
お経: お釈迦さまがお説きになった『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の三部経をよりどころとします。

浄土宗檀信徒信条

一、 私たちは、お釈迦(しゃか)さまが本懐(ほんかい)の教えとして説かれた、阿弥陀(あみだ)さまのお救いを信じ、心のよりどころとしてお念仏(ねんぶつ)の道を歩み、感謝と奉仕につとめましょう。
一、 私たちは、宗祖(しゅうそ)法然上人(ほうねんしょうにん)のみ教えをいただいて、阿弥陀さまのみ名を称(とな)え、誠実と反省につとめましょう。
一、 私たちは、お念仏の輪をひろげ、互いに助け合い、社会の浄化と、平和と福祉につとめましょう。

阿弥陀仏 阿弥陀如来(無量寿仏 無量光仏)

私たち浄土宗の信仰の対象となる仏です。ゆえに、浄土宗の多くの寺院では、阿 弥陀仏を本尊としています。阿弥陀とは、古代インドの言葉の「アミターユス」、「アミターバ」の読み方を音写したもので、アミターユスとは「無量寿」、アミターバとは「無量光」という意味です。つまり阿弥陀仏とは「無量(永遠)の寿命を持つ仏」、あるいは「無量(永遠)の光を持つ仏」と言うものです。
阿 弥陀仏は、遥か昔に「この上もないさとり」を得ようと発心した「法蔵菩薩」という名の菩薩でありました。そして、その菩薩は「全ての人々(生きとし生きる もの)を救い助けるために48の誓願」を立て、途方もない長い間修行を重ねた後、48の誓願全てを成就し仏と成りました。この仏が阿弥陀仏であります。そ して阿弥陀仏は、ここより西方の十万憶仏土にある「極楽浄土」に座し、現在もなお未来永劫に教えを説き、私たちを極楽浄土へ導いています。

法然上人(法然房源空)

浄土宗の開祖である法然上人は、平安時代末期の長承2(1133)年、現在の岡山県の地にある美作 の押領司の漆間時国の子として誕生し、名を「勢至丸」といいました。勢至丸が九歳の時に、父は明石定明の夜討ちに遭いその傷が原因で命終を迎えました。そ の父の枕辺で「恨み仇を討てば、また相手も仇を討つ。尽きる事のないものである。それならば、出家をして菩提を弔い、自らもさとりを得なさい」という遺誡 をきっかけに、出家の道を歩み始めたのでした。
13歳(一説には15歳)で比叡山に上り持宝房源光に師事し、後に皇円阿闍利のもとで戒を 受けました。そして、18歳の時に比叡山の西塔の黒谷に隠棲していた慈眼房叡空をたずね「法然房源空」の名を授かりました。叡空のもとで約25年間研鑽を 積み、承安5(1175)年43歳の時に善導が記した『観無量寿経疏』散善義の「一心専念弥陀名号」の文を読み、「お念仏さえ称えれば阿弥陀仏のいる極楽 浄土に必ず往生できる」という考えに帰し、浄土宗を開きました。その後に比叡山を下り、様々な場所で多くの人々にお念仏の教えを説き、建暦2(1212)年1月23日に弟子の源智へ『一枚起請文』をしたため、25日に上人は80歳の生涯を閉じました。